2008年 4月28日発行
━━☆ 夢現 ☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ゆめげんクリニック・プロジェクト メールマガジン Vol. 8
http://jin-i.com/yumegen
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みなさま、こんにちは。
ゆめげんクリニック・プロジェクト事務局の中山です。
本メールマガジンは、「ゆめげんクリニック・プロジェクト」の
ホームページまたはメルマガポータルサイト「まぐまぐ」から
ご登録いただいたみなさま及びパートナー企業・医療機関のみなさま、
そして、当法人事務局スタッフが名刺交換させていただいたみなさまに
お送りしている情報メールマガジンです。
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● もくじ
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【1】はじめに
【2】今月のテーマ:旅行医学(第1回:時差ぼけ)
【3】ゆめげんドア
● 編集後記:五月病
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【1】はじめに
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みなさま、
ゴールデンウィークに入りましたね。
長期休暇に入られている方、カレンダーとは全然関係なくお仕事の方
それぞれの“黄金”週間をお過ごしのことと思います。
先日、ロンドン大学衛生熱帯医学部で旅行医学(Travel Medicine)
のコースが実施され、受講してきました。
受講者は75人。
英国、米国からの参加者がほとんどだったのですが、
英国以外のヨーロッパ、アジア、アフリカなど
世界中から参加していました。
参加者の多くは、家庭医、旅行医学のクリニックで
診療をしている医師・看護師、空港所属の医師など様々でした。
ちなみに日本人は私以外にもう一人いらして2名の参加でした。
そこで、今日のゆめげんメールマガジン第8号のテーマは、
受講して間もない旅行医学の中から「時差ぼけ」です。
まだ勉強したばかりのホカホカの話題です。
ご一読いただければ幸いです。
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【2】今月のテーマ: 旅行医学(第1回:時差ぼけ)
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■ 旅行医学の背景
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統計では、昨年1年間に海外に出かけた日本人は
のべ1700万人にものぼるそうです。
月に140万人。
1日当たり4万6000人。
たくさんの人が海外に出かけているのですね。
私も旅行が大好きで「休みが取れたらどこに行こうか」と、
考えています。
旅行は、日常と違う景色、食べ物、アクティビティを楽しみ、
普段会えない人々との出会いもあるし、
とてもいい気分転換になりますよね。
特に、忙しい日常を送っていらっしゃる方にとっては、
とてもいいストレス解消の方法だと思います。
でも、日常と違う場所に行って、違うことをするので、
普段は気にしなくても良い病気について注意しなくてはいけませんね。
これについての医療が「旅行医学」です。
■ 旅行医学の範囲
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扱う内容は、大きく分けて、以下の4つあります。
1. 予防
2. 旅行者への医療支援
3. 高地やダイビングなど、普段の環境とは大きく異なる活動
4. 旅行保険
ただ、これだと漠然としていてわかりにくいですね。
もう少し詳しい内容はこのような感じです。
1. 移動に伴う病気:エコノミー症候群、時差ぼけ、
2. 行為に伴う病気:性感染症、潜水病、
3. 場所に伴う病気:高山病、熱帯地方の感染症など
4. 予防・対策:予防薬、ワクチン、治療薬、子供、事故を避ける工夫
5. 治療中の病気、障害のある方の、旅行中の治療や対策
6. 渡航先の医療情報の提供
1.の「移動に伴う病気」のうち
「時差ぼけ」について触れたいと思います。
■ 「時差ぼけ」とは?
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移動による影響といえば、まず第一に「時差ぼけ」ですね。
海外旅行をした際、現地で、あるいは帰国してから、
体の不調(夜眠れない、昼間頭がぼーっとするなど)
を生じることがあります。これが「時差ぼけ」ですね。
「時差ぼけ」の主な症状は、不眠、眠気、疲労感、ぼんやりする、
頭が重い、食欲がない、胃腸障害、目の疲れ、イライラする、
日中、頭が働かない、などです。
4〜5時間以上の時差がある場所に行く場合に「時差ぼけ」
の症状が出るといわれています。
南北に旅行するだけでしたら、それほどの時差はないので
あまり気になりません。
しかし、東西に長く移動すると、現地でも、また帰国後も、
「時差ぼけ」に悩まされた経験をお持ちの方は多いと思います。
時差がある以上、これを全く無くすのは無理なのですが、
「時差ぼけ」は減らすことができるので、
ここでその方法をお伝えしたいと思います。
私たちの体内には「体内時計」という
自分だけの時計を持っていて、
体はそれに合わせて変化します。
例えば夜眠くなるのは「体内時計」のためです。
この「体内時計」は脳の深いところにある
ということがわかっていて、
目から入る光と私たちの行動(例えば、食事、睡眠)によって
コントロールされています。
■ 「時差ぼけ」の対処法
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そこで「時差ぼけ」を減らす方法は、
● 渡航先の時間に合わせて睡眠をとる
● 渡航先の日中の時間に、光を見る
ということになります。
当たり前のようですが、
「出発前は忙しくて中々準備できない!」
という方が多いと思いますので、
簡単な例をあげますと、
例:日本からハワイに行く場合:時差−5時間
◆ 1日目:
(ハワイ時間の)午前4:30から9:30は光を避け、
9:30から12:30までは光を見る(明るいところに出る)
◆ 2日目:
(ハワイ時間の)夜中の1:30から朝6:30は光を避け、
午前6:30から午前9:30までは光を見る(明るいところに出る)
といった感じです。
これは、出発前に現地時間に合わせて行っても良いですし、
移動中の飛行機の中で始めても良いです。
特に「適切な時間に光を見る」というのが
とても効果的なので、実践してみてください。
光の強さの目安は短い波長(460−480nm)の
シリカ(青色)電球が良いといわれていて、
これは良く見かけるホワイト電球のことです。
また、もし光を見ることができない環境(飛行機の中など)
にいるときは、「光るひさし付の帽子」というものもあります。
(http://www.bodyclock.com/vidavsol.jpg)
日本ではどこで購入できるかわからないのですが(すみません・・・)、
旅行用品店で売っているかもしれません。
また、もし光を避ける時間帯に外出しなくてはいけない場合、
明るい光を見てしまうと、
体内時計がそれにあわせてしまうので、
なるべく光を避けるために光をコントロールする
サングラスをつけるのがお勧めです。
その際、普通のサングラスは暗さが足りないので、
光コントロール用のサングラス(旅行用品店にあります)
をつけましょう。
上記の時間の計算方法は「Jet lug」というウェブサイト
(ゆめげんドア参照)に載っていて、目的地との時差、
通常の起床時間、を入力すると、それに合わせて
上記のようなアドバイスをしてくれるので便利です。
■ まとめ
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以下に「時差ぼけ解消法」をまとめました。
1. 睡眠時間を旅行先の時間に合わせる(近づける):
=“東向き”に旅行する場合は、通常より“早く寝る”ように心がける。
=“西向き”に旅行する場合は、通常より“遅く寝る”ように心がける。
2. 旅行前でも通常と同じ睡眠時間を取り、
体を疲れさせないこと。
3. 体内時計を規則正しくするため
現地ではできるだけ日光を浴びるように外出する
4. 到着した日は重い食事を避ける。水分を多めにとる。
5. 定期的な運動をしている人は、
現地の時間に合わせて定期的に続けると良い。
6. 短期旅行の場合、食事や就寝時間は通常通りを心がける。
7. 必要に応じて睡眠薬を取る。
(この場合は、医師の指導を受けることが望ましい)
このゴールデンウィークや夏休みに海外旅行を予定されている方は、
是非試してみてくださいね。
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【3】ゆめげんドア:
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今月のテーマについて更に詳しく知りたい方は、
次のウェブサイトをご参考にしてください。
■ 厚生労働省検疫所 海外感染症情報:http://www.forth.go.jp/
■ Jet lug: http://www.bodyclock.com/
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● 編集後記:五月病
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ゆめげんクリニック・プロジェクトのメールマガジン第8号は
いかがでしたでしょうか。
「はじめに」で触れましたが、旅行医学を勉強したての「くに」。
話したいことがたくさんあるようで、
次回は「エコノミー症候群」、
その次は、性感染症、高山病、潜水病、虫刺されによる病気、
下痢、水に関連する病気などの「渡航先でかかる病気」
そして、予防薬、ワクチン、治療薬、子供、事故を避ける工夫、
といった「予防と対策」
と今回も含めて計4回シリーズでお届けする予定です。
さて、ゴールデンウィークと言えば、5月。
5月と言えば「五月病」、
夏の季語でもあります。
新人社員や大学の新入生などが
かかってしまう恐ろしいココロの病です!
一般的に新しい環境への期待や不安、緊張が
ひと段落し、次の目標が見つけられず、
不安定な精神状況になることをいうそうです。
この五月病。一番の処方箋は、
“ココロをリフレッシュすること”
なのだそうです。
旅をして日常の風景から離れるのもひとつ
普段、通っている道を時間をかけてゆっくり歩いて、
見過ごしていた日常の風景を再発見するのもひとつ
本や音楽の世界に浸るのもひとつ
好きな趣味やスポーツに専念するのもひとつ
思い切って考えを切り替えて
気分転換をするのがいいのでしょうね。
次号ですが、5月19日にお送りします。
それでは次回もどうぞお楽しみに! (よし)
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