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今週は、薬剤耐性(AMR)週間です。
今、抗菌薬(抗生物質)などの抗菌薬を不適切に使うなどして薬が効かなくなる耐性菌による感染症が問題になっています。
このまま対策を行わないと、2050年には、私たちに身近な感染症(気管支炎、肺炎、膀胱炎)に効果のある薬がなくなってしまいます。
また、感染症を予防できなくなるため、手術を行えなくなる可能性もあります。
そこで、私たちが知っておくべきこと、私たちにできること、をお伝えします。
1. 風邪に抗菌薬は効きません
風邪はウイルスが原因ですので抗菌薬を飲んでも意味がありません。
不要な抗菌薬を飲まないようにしましょう。
2. 処方された抗菌薬は医師の指示どおりのみましょう
抗菌薬は、細菌と戦う薬で、細菌による感染症に処方されます。抗菌薬にも細菌にもいろいろな種類があり、治療に必要な抗菌薬さまざまです。
そのため、1日に飲む量と回数を守って飲むことが大事です。抗菌薬はあなたに合わせた内容で処方されていますので、処方された飲み方を守ることは、あなたの病気を確実に治すため、抗菌薬による副作用を減らすため、とても重要です。
不適切、不十分な飲み方をすると、抗菌薬が効かない細菌(耐性菌)が生まれてしまうことがあります。これが薬剤耐性菌(AMR)です。
自分で耐性菌を作らないように、処方薬は指示どおり飲みましょう。
3. 基本的な感染対策をしましょう「手洗い・ワクチン」
日々手洗いを心がけ、必要なワクチンはきちんと接種し、予防できる感染症にかからないように努めましょう。予防できる感染症は、予防するのが一番です。
院長 中山 久仁子
2018年1月10日付 朝日小学生新聞でも抗菌薬についての正しい理解を促す記事が掲載されています。
(2018年1月15日追記)