マラリア
- マラリアと地球温暖化
- マラリアの予防方法
1. マラリアと地球温暖化
マラリアは世界でなんと年間のべ5億人が感染し、150万人が亡くなっている病気です。
しかも、2歳児が最も死亡率の高い年齢層という「子どもを死に追いやる病」なのです。
日本ではあまり聞き慣れない病気ですが、海外旅行先で感染したり、空港近くで感染したりすることがあります。
この空港近くで感染するマラリアを「エアポートマラリア」と呼びます。マラリアを持った蚊が飛行機に乗って日本国内に入り、空港の近くで人を感染させてしまうマラリアのことです。
マラリアは、マラリアを持っている蚊に刺されることによって感染します。この蚊(アノフェレス属)は暖かいところに住んでいるので、マラリアが暖かい地域に限られるのはそのためなのです。
蚊はマラリアに感染している人を刺した時に、人からマラリア原虫をもらい、蚊の中でそれが成長して、その蚊が再び人を刺すときに人の体内にマラリアが入り感染します。
最近、地球温暖化現象が注目されていますが、この温暖化はマラリアにも影響を及ぼしています。
マラリアを媒介する蚊は、冬の平均気温が摂氏15℃以上でないと生きていられません。
そして、だいたい20℃~30℃、そして湿度が60%の時にマラリアを感染できる環境になると言われています。
さらに、暖かくなるほど蚊の中でのマラリアの成長が早まり、人がマラリアに感染する機会が増えていきます。
都市の地下など、冬場でも暖かいところがあれば、蚊が越冬できるようになり地球温暖化と都市化がマラリアを広げているのです。
例えば、最近、お隣の韓国では、国内でマラリアの感染があったという報告がありました。
いよいよ地球温暖化の影響がマラリアにおいても出てきました。
2. マラリアの予防方法
虫よけスプレーを常用する
特に夜の外出時には必ず露出する肌にかけてください。洋服の上からスプレーをかけるのも効果があります。また、なるべく肌を露出しない服を着るといいでしょう。寝るときに蚊帳を使う
夜寝ているときに蚊に刺されることが多いので、蚊帳を使えば安心です。蚊取り線香も有効です。予防薬を飲む
マラリアに感染しないように、あらかじめ予防薬を飲んでおく。日本ではメフロキン、ドキシサイクリンという薬が予防薬として入手可能です。実際の服用については、かかりつけ医にご相談ください。また、こちらのサイトもたいへん参考になります。(東京大学医科学研究所 感染症内科)
私が日本で診察したマラリアの患者さんは、海外旅行から帰国した後の発熱がきっかけで受診されていました。
何人かの方は、熱の原因がわからず、ほかの病院から紹介されて来られていました。
日本では発熱と聞いて、まず最初に「マラリアかな・・・?」と疑うことは少ないので、どうしても見落とされがちですね。
正確な診断のために、病院に行ったら「旅行の期間、場所」について、医師に質問されなくてもご自分から伝えてください。
マラリアの治療薬は数種類ありますが、薬に対して抵抗力をもつマラリアが世界中に蔓延し始め、特にアジアでは薬が効きにくくなっているものがあります。
マラリアは、まずは予防第一。
暖かい地方に行くときは、虫刺されに注意しましょう。
参考文献
更に詳しく知りたい方は、次のウェブサイトをご参考にしてください。
厚生労働省検疫所 海外感染症情報:マラリアの基本情報が載っています。
感染症情報センター 感染症の話:マラリアの症状、診断、治療などが詳しく書かれています。
『Planetary Overload: Global Environmental Change and the Health of the Human Species』 A.J.McMichael著
地球温暖化による環境変化と病気・健康への影響についての本です。Amazon.co.jpなどでは「Planetary Overload」で検索すると出てきます。






