みんなが夢を実現していくマイファミリークリニック蒲郡

マイファミリークリニック開業への道のり

 木の下の診察風景のイラスト

「困っている人の役に立ちたい」という想い

 マイファミリークリニック開設に向けた準備プロジェクト「ゆめげんクリニック・プロジェクト(みんなが夢を実現していくクリニック・プロジェクト)」のきっかけは、私が医師を志した頃にさかのぼります。医師という職業を選んだ理由は、地域医療に貢献した祖父や父の存在と、アフリカなど医療を十分に受けられない人々が、世界には数多く存在していることを知ったことです。

 私の祖父も医師をしていました。祖父は、黒澤明監督の名作「赤ひげ」の主人公である「赤ひげ先生」のような存在で、治療をしながらもお金に困っている人からはお礼を受け取らず、地域の人々に大変慕われていたそうです。そんな祖父のことを知り、さらに、真面目で地道に眼科医としての仕事に取り組んできた父の後ろ姿を見てきましたので、地域医療に真摯に取り組む医師になりたいというあこがれを、小さいころから抱いていました。

 そして中学生の頃、アフリカのエチオピアで大規模な飢餓が発生し、難民キャンプでその日の糧に困っている人々の映像をテレビで見ました。大人だけでなく、小さな子どもたちですら十分な医療を受けられない状況に、世界には基本的な医療を受けられない人々が大勢いることを知りました。また、犬養道子さんの「人間の大地」を読んで、困っている人に自分が何か手助けできる仕事をしたいと決意しました。

医師になってから

 大規模な市中病院や大学病院、家庭医のクリニックで働き、忙しさの中たくさんの患者さんの診察や治療をしてきました。大規模病院や大学病院では、専門性の高い最先端の医療を経験し、家庭医クリニックでは地域の子供から高齢者まで幅広い年齢層の一般疾患を診察しました。

 最先端医療の現場と地域に根ざした家庭医療という、求められている医療の役割が全く異なる場に身を置いたことで、家庭医療と専門医療それぞれの価値と立場を知りました。そして、人が健康に関してより安心して暮らせるための医療についてもっと考えるようになっていきました。

感染症をもっと知りたい

 途上国ではまだ、死因の第一位は感染症です。日本では一時期、「感染症は過去の疾患」と言われていましたが、最近では抗菌薬の乱用によって耐性菌が発生したり、臨床の教育が不十分であったり、新しい感染症が発見されたりと、その対応の重要性が見直されています。

 医師になって三年目、私は感染症の診断と治療を専門に行う先生に出会いました。感染症という疾患は、日本においても途上国においても、専門家の指導と治療によって未然に防いだり早期に治療することが可能な一方、対策を間違えると感染を広めてしまったり、重症化させてしまいます。その後、感染症に興味を持ち、専門に勉強するようになりました。

途上国の病院で ~家庭医の重要性~

 中学時代からの思いを胸に秘めていた私は、念願のアフリカ(マラウィ共和国)の病院にボランティアとして赴くことになりました。医師になって四年目のことです。わずかな薬を駆使して必死に治療を行う医師、次々と人々が死んでいくため、それに慣れてしまって子供の死に涙を流すこともできない母親。

「こんな世界があるのか・・・信じられない」という驚き。

「こんなにちっぽけな私でも、なにか自分にできることはないだろうか・・・」という想い。

 さらにその二年後、今度は長期でマラウィの最大規模の病院に勤めました。ここでも死因の第一位は感染症で、多くの方がその治療を必要としていたのですが、受診している患者さんは必ずしも最先端の医療が必要な患者さんばかりではありませんでした。病院にすぐにかかることさえできれば、決して命を落とさなくてもすんだのに、という悔しさを味わいました。

 日本とアフリカの臨床経験で感じたのは、どちらの国の人々も、自分と自分の周りのことをよく知っていて、安心して診察してもらえるかかりつけの医師という存在が必要だということ。かかりつけ医を通じて、必要に応じてより専門性の高い病院に安心してかかることができるシステムの重要性でした。

 さらにその後、英国での出産時に、GP(General Physician)という家庭医制度を患者という立場で経験しました。一般的な疾患はGPで診てもらい、専門医の診察はGPからの紹介で行うという制度で、ちょっとした病気で大規模な病院に行くような手間が、患者側にも、それを受け入れる医療者側にも省かれ、医療制度自体の効率性も保たれていることを知りました。英国のシステム自体には色々と改善点が指摘されていますが、医療制度改革が叫ばれている今日の日本においても、英国の家庭医制度を参考にできる部分があると思います。

統合医療の必要性 ~患者さんと向き合って、真剣に悩むこと〜

 これまでに多くの患者さんを診察し治療する中で、時として非常に悩むことがありました。それは、病気の症状が目の前にあり、その原因もわかっているにもかかわらず、その患者さんの苦痛を完全には取り除くことが出来ないという悩みです。

 例えば、癌の転移の痛みに対して、薬で痛みを和らげることができても、それを完全にコントロールできないことがありました。また、抗がん剤の副作用である吐き気を抑えるために薬を処方しますが、患者さんの身体的、精神的な苦痛を完全に取り除くことはできませんでした。このように医師としての自分の力不足を痛感する場面にたくさん遭遇してきました。現代医療の限界に突き当たった感じでした。

 一方、以前勤務していた日本の病院では音楽療法や漢方薬、アフリカでは薬草や儀式による伝統医療、英国ではアロマセラピーやホメオパシーといった代替医療によって、患者さんが苦しみから開放されるだけでなく、心やたましいの安らぎを得ていることを経験しました。そして、からだと心のバランスを整えていくことによって患者さんの苦しみを和らげる代替医療と、西洋医学を上手に統合することによる、よりよい医療を目指すようになりました。

これからの医療と予防医学

 そもそも病気にならなければ、治療にかかる時間と労力とお金は要りません。病気による肉体的、精神的な苦痛も味わわなくてすみますし、看病をする家族が心配し苦しむこともありません。今、多くの病気は生活習慣の改善によって防ぐことができます。患者さんにとってより良い医療を考えた場合、病気の予防こそ重要なのだと確信しました。

仁愛の心による全人的な統合医療をクリニックで

 私は、人々が健康に関してより安心して暮らせるための医療を実現するため、この五カ条を特徴とするクリニックを開業し、地域の人々の健康を推進する手伝いをしていこうと決意しました。

  1. 信頼できる、かかりつけクリニック
  2. 西洋医学だけでなく、患者さんの症状にあわせた代替医療の併用
  3. 健康な体を維持し、病気にならないための予防医学を導入
  4. 感染症の治療と対策に力点をおいた医療を提供
  5. 将来、開発途上国との医療協力を実現